魚の缶詰の中でもサバ缶やイワシ缶に多く含まれるDHAやEPAが健康ブームになりました。ある有名人がサバの水煮缶を利用したダイエットで1年間に17キロのダイエットに成功したことから、サバの缶詰が品薄になったこともありましたね。メディアやインターネットで取り上げられ、ますます売り上げに拍車がかかり生産の中止や値上げが相次ぎました。
魚の缶詰の体にいい栄養とは
魚の骨まで食べられる缶詰には、タンパク質やカルシウムの他に、DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(イコサペンタエン酸)が多く含まれています。DHAもEPAも体内で合成されない「必須脂肪酸」のため食事から摂る必要があります。しかし魚の缶詰の栄養効果が注目されるなか、魚の缶詰は体に悪いとも言われています。
魚の缶詰は体に悪い?危険ってホント?
体や美容に良いと言われている魚の缶詰ですが、本当は体に悪いのでしょうか?「魚の缶詰に限らず、どんなに体に良い食べ物でも、食べすぎは体に良くないよ!」ということです。では、その理由を具体的に見てみましょう。
缶に含まれるBPAとは
BPA(ビスフェノールA)はプラスチック製のパッケージや缶詰の内側のコーティング、エポキシ塗料に使われています。油性や酸性の食品に触れることでBPAが移ることが分かっています。
さらに、この物質はホルモンバランスを崩す恐れがあると言われています。
■ 子宮内膜症
■ 前立腺がん
■ 甲状腺機能障害
これらの病気を引き起こす可能性があるそうです。
ただ、研究の結果では成人への影響は少ないと言われています。
(前略)公衆衛生の見地から、ビスフェノールAの摂取をできるだけ減らすことが適当と考えられるので、関係事業者に対しては自主的取組をさらに推進していくよう要請し、また、妊娠されている方や乳幼児を育てておられる方への食生活上の助言を含め、ビスフェノールAについてのご理解を深めていただくためのQ&Aを作成いたしました。(以下略)偏った食事を避け、毎食缶詰を中心とするような食生活にならないよう、いろいろな食品をバランスよく摂るように心がけることが大切です。
出典:厚生労働省ホームページより引用(抜粋)
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塩分が多い
魚の缶詰には水煮や醤油に味噌味、蒲焼などいろいろな味付けがありますね。そのままはもちろん、パスタやご飯に入れたり、お酒のおつまみにもあうしっかりした味付けです。そう塩分が多いのです。
栄養価の高い魚の缶詰ですが、「体にいいから」と毎日食べると、缶詰以外の食事の塩分と足すと1日の塩分摂取量を超えてしまいます。
野菜と一緒に調理したり、パスタやご飯と和えて調味料を控えると塩分の摂取量を抑えることができます。
DHAもEPAも体内で合成されない「必須脂肪酸」のため、食事から摂る必要があります。とはいえ缶詰だけに偏らないように上手に摂り入れたいですね。これから、魚の缶詰に含まれる栄養と旨みを活かしつつ塩分を抑えたレシピを紹介します。
魚の缶詰で味付け要らずの簡単レシピ5選!
味付きの魚の缶詰を使うので調味料はほとんど使いません。しかも野菜をたっぷり摂れるレシピです。
味付きサバ缶で人参しりしり
Photo by ゲンゲ太郎
沖縄の郷土料理の人参しりしりは、スライサーでおろした人参と卵を炒めて味付けした料理。作り方はいろいろありますがツナ缶を使うレシピが多いようです。
Photo by ゲンゲ太郎
ツナの栄養と旨みたっぷりの油で炒め、卵がふわっとまとめてくれます。そんな人参しりしりを味付きの魚の缶詰で作りました。味付きなので調味料控えめの体に優しい簡単レシピです。
◇ 人参 3本(350g)
◇ サバの缶詰(醤油味)
◇ マヨネーズ 適量
◇ しょうが、にんにく(それぞれチューブ)お好みで
【作り方】
Photo by ゲンゲ太郎
器量良しとはいえない人参ですが無農薬でした。きれいに洗って両端を落とし皮ごと使います。スライサーやフードプロセッサーで千切りに。
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108円のサバ缶ですが身がたくさん!総量150g(固形110g)お得感があります^^
フライパンに人参とサバの缶詰を煮汁ごと入れ弱めの中火にかけ、人参がしんなりするまで炒めます。
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マヨネーズとショウガとニンニク(チューブ)を入れました。サバをほぐしながら炒めます。
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溶き卵でとじますが、今回は菓子作りで残った卵白を冷凍しておいたものを使いました。(常温に10分ほどおけば使えます)
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卵に火が通ったら完成です。
人参しりしりをカラフルにアレンジ
Photo by ゲンゲ太郎
紫は「スーパーフード」と言われる紫人参と黄(き)人参、通常の人参でそれぞれ「人参しりしり」を作りました。写真手前右は、富山県の郷土料理「よごし」です。優しい甘みと旨みの4色丼ぶりの出来上がり!
サバ缶とシャキシャキ玉ねぎのマヨネーズ焼き
Photo by ゲンゲ太郎
粗みじんに切った玉ねぎと、スライスしたじゃが芋も入ってボリュームたっぷり!

サバに多く含まれるDHAとEPAには血液サラサラ効果やコレステロール・中性脂肪を下げる効果があります。玉ねぎの硫化アリルがもつ、血液サラサラ効果でさらにパワーアップ!
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◇ 味付けサバ缶 1缶 総量150g(固形110g)
◇ じゃが芋 1個
◇ 玉ねぎ(粗みじん) 1/2~1個
◇ 青ネギやニラなど 適量
◇ マヨネーズ 適量
【作り方】
Photo by ゲンゲ太郎
① じゃがいもはスライサーで薄切りにします。
缶汁を回しかけ、
Photo by ゲンゲ太郎
Photo by ゲンゲ太郎
サバの身を大きめにほぐしながらのせます。
Photo by ゲンゲ太郎
玉ねぎのみじん切りをのせ、青ネギやニラなどをちらし、マヨネーズをかけオーブントースターやグリルで焦げ目がつくまで焼きます。
器を変えてアレンジ
Photo by ゲンゲ太郎
こちらは洗い物の手間が省ける、クッキングシートの箱の器で焼きました。
オイルサーディンとじゃがいものチーズ焼き
Photo by ゲンゲ太郎
ホクホクのじゃがいもとオイルサーディンの組み合わせ、作り方は1人分です。
Photo by ゲンゲ太郎
① じゃがいも1個はレンジで加熱し皮をむきグラタン皿にならべ、厚めに切りオイルサーディンをのせます。
Photo by ゲンゲ太郎
② オイルサーディンの油と乾燥パン粉大さじ2、玉ねぎのみじん切り1/4個、パルメザンチーズ大さじ1、こしょう少々を混ぜ合わせます。
Photo by ゲンゲ太郎
③ ①の上に②をのせ、オーブントースターで焦げ目がつくまで焼いたら完成!
Photo by ゲンゲ太郎
ホクホクのじゃが芋に玉ねぎのシャキシャキした食感が楽しい一品です。オイルサーディンとチーズの組み合わせでお酒がすすみそう^^
サバ缶と長芋ソースのグラタン
Photo by ゲンゲ太郎
「サバ缶とシャキシャキ玉ねぎのマヨネーズ焼き」に、すりおろした長芋ソースをかけて焼きました。長芋の角切りもプラス♪シャキシャキの玉ねぎにフワッと長芋ソースがおいしい!
◇ 味付きサバ缶 1缶 総量150g(固形110g)
玉ねぎ(みじん切り)1/2個
卵(卵黄と卵白に分ける) 2個
長芋(角切り、すりおろし)適量
昆布茶 適量
マヨネーズ 適量
【作り方】
Photo by ゲンゲ太郎
① グラタン皿に玉ねぎのみじん切り(半量)を敷き、サバ缶(缶汁ごと)と卵黄をのせる。
② ボールに残りの玉ねぎとネギのみじん切りに長芋の角切り、卵白、長芋のすりおろしとマヨネーズを入れ、空気を含ませるようにスプーンで混ぜる。味をみて昆布茶で調える。
Photo by ゲンゲ太郎
③ ①に②のソースをかけオーブンで焦げ目がつくまで焼く。(好みでマヨネーズをかけても)
サバの水煮缶でサモサ風
インド料理のスナックとして人気のサモサ。茹でてつぶしたじゃがいもにスパイスシーな具材を小麦粉の生地で包んで揚げ、サクっとした生地とホクッとスパイシーな具材は、おつまみにもぴったり!
Photo by ゲンゲ太郎
今回は、じゃが芋の代わりに里芋を使い餃子の皮で包んで揚げました。つぶした里芋にサバの水煮を加えカレーパウダーとクミンを加えてスパイしーに。モチっとした具材とパリッとした餃子の皮が新鮮です。
◇ 里芋(レンジ加熱し皮をむき熱いうちににつぶす)3個分(正味100g前後)
◇ サバの水煮缶(水気を軽く切って半量)、残りは、ガラス容器などに移して冷蔵庫で保存
◇ 味噌 小さじ1
◇ ねぎ(みじん切り)10g
◇ しょうが(チューブ可) 小さじ1
【作り方】
① ボールに◇の具材を入れてよく混ぜ、12等分します。
Photo by ゲンゲ太郎
② 餃子の皮の中央にタネをのせ、皮のふちに水をつけて対角に合わせ貼り付けます。
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180℃の揚げ油でキツネ色になるまで揚げます。お好みでケチャップやチリソースをつけていただきます。
サバの水煮缶でスープ餃子
Photo by ゲンゲ太郎
「サバの水煮缶でサモサ風」、①の具材を餃子の皮で包みガラスープで煮て、スープ餃子にしました。
Photo by ゲンゲ太郎
野菜や海藻、きのこを入れてヘルシーに!
魚の缶詰まとめ
魚の缶詰は骨まで丸ごと食べられることが大きな魅力です。タンパク質やカルシウム、そして何より体の中でほとんど作ることのできない「必須脂肪酸」のDHAやEPAを効率よく摂ることができます。ただ、どんなに栄養価が高く体に良い食べ物でも、偏った食生活にならないように、いろいろな食品をバランスよく摂るよう心がけることが大切ですね。健康な食生活のための参考にしていただければ幸いです。
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